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漆器のくもり、なぜ?

f0322969_18143861.jpg10年ほど大切に使っている漆器が、どうもくもってきました。それも内側はピカピカなのに、外側だけくもっているんです。なんだか薄皮一枚はりついたようなくもりです。

原因を考えて、ふと思い当たったのは、石けんの濃度です。

うちは台所で合成洗剤ではなく、石けんを使っています。石けんは、ちゃんと泡立つ濃度で使えば素晴らしい洗浄力を発揮してくれます。それさえ守れば、食器はすべてピッカピカになるはずです。ところが漆器がくもった、ということは、漆器と石けんの相性が悪いのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。お椀の内側はピカピカなんですから。

 洗い方を思い出すと、内側はスポンジにたっぷり石けんがついた状態でクルクルこすって洗います。外側はそのあとに、内側を洗ったままのスポンジで洗っていたのです。ちょっと石けんを足してあげればよかったのですが、汚れは内側だけで外側はきれいなんだから石けんを足すほどのことはないな、と思ったのでした。つまり、内側は十分な濃度の石けんで洗い、外側はやや薄めの濃度で洗っていた、ということです。

 石けんはたっぷりの泡で洗うと100点満点の洗い上がりになります。が、ちょっと濃度が下がって泡が90%くらいなったとします。洗いあがりが90点になるかというと、これが大違い。濃度がある一定基準をちょっとでも下がると、洗浄力は一気に20点、10点くらいにまで落ち込むのです。つまり、軽い汚れでもたっぷりの泡が必要、ということです。

 さて、原因がわかったので、それ以来、漆のお椀を洗うときは外側もたっぷりの泡で洗うようにしました。だからと言って石けんの消費量が格段に増えるわけではないですが、ほんのちょっと増やしただけで泡がモコモコです。たっぷりの泡で洗うと、くすみも薄くなってきましたよ! 漆器の取扱説明書には「石けんは使わないでください。中性洗剤をお使いください」というものが多くあります。石けんで洗うと漆器がくもってきた、という人は、多分私と同じく、ちょっと少な目の石けんで洗っていたのではないかと思います。石けんは「ちょっと多め」を心がけるのがコツですからね。

★漆器も人も、「ひと手間」で美しく

 それから、洗ったあとに「びわこふきん」で磨いてみました。これは和紡布(わぼうふ)とも呼ばれるデコボコした繊維の布巾です。繊維のデコボコが汚れをかきとってくれるのです。これで毎日磨いているのですが、くすみが取れてツヤが出てきましたよ! この、「洗ったらすぐ拭く」というのも大事です。食べ終わった漆器を水につけておいても大丈夫ですが(本体に傷がないかぎり)、せっかく洗ったらすぐ拭くこと。水滴が乾くとき、白い水アカが残ることがありますから。

 漆器はちょっとした気づかいで、何十年も持ちます。洗ったらすぐに柔らかい布で拭くこと、衝撃に弱いのでぶつけたりしないこと、テーブルの上で引きずらないこと、表面が柔らかいので研磨剤は使わないこと、などです。これを「面倒くさい」と思わないでください。手塩にかけた漆器は、買ったときよりもしっとりした光沢を放ちます。そして、何よりいいのは、ぶつけない、引きずらないということを心がけると、それが美しい所作になるんです。お椀を箸で引っ張るとか、ドスンとテーブルに置くとか、そんなことをしたらせっかくの漆器が傷つきます。もったいないですよね。

2011年02月10日
by akaboshi-ryuu-ego | 2014-07-17 00:00 | もったいない・昔の知恵


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