樟脳で衣類を守り、山を生かす

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 前回、セーター類の洗濯の方法を書きましたが、今回は虫に食われにくい保存方法です。

 洗濯後、干すところから虫食い対策は始まっています。できれば外に干さず、家の中に干しましょう。衣類に穴を開ける虫は、イガやコイガの幼虫と、カツオブシムシの幼虫です。成虫が卵を産みつけ、卵がかえって幼虫になり、衣類を食べてしまうのですから、蛾(ガ)に見つけられないよう、家の中に干すのがいいんですね。もともとウールやシルクなどのたんぱく質系の繊維は陰干しが基本ですから、理にかなってますよね!

 しっかり乾いたら、タンスや衣装ケースや衣類用密閉袋に仕舞います。そのとき防虫剤を入れるのですが、私のお薦めは天然樟脳(しょうのう)です。

 樟脳とは何か。ちょっと調べてみました。

 楠(クスノキ)はもともと「樟」と書いたのだそうです。また、「脳」には草木の芯という意味があります。つまり、樟脳とはクスノキの芯から取った天然成分のことなのです。

 この成分は、昔から防虫剤として使われてきました。匂いは好き好きですが、でも風に当てればすぐ飛んでしまうものです。タンスや衣装ケースから出したあと、半日ほど陰干しすれば大丈夫。

★山の資源を上手に使う

 私が持っている樟脳は、10グラムずつ小さな布の袋に入ったものです。これを、タンスの引き出しに1~2個入れて使います。樟脳から出る気体は比重が重いので上から下へ降りていきます。衣類の下に置くのではなく、上に置きますが、衣類に直接くっつかないよう紙を1枚置くといいでしょう。布の小袋に入っているとはいえ、特に着物の場合は高価なものが多いですし、着物に直接触れないようにしてください。また、合成皮革やビニールなどは変質する怖れがありますから、同じ箱に入れないでください。

 それから、これは防虫剤の基本中の基本ですが、同じ箱には必ず一種類しか入れないこと。他の防虫剤(ナフタリンなど)と併用すると、衣類を変色させる怖れがあります。

 今は一年中虫食いの危険があります。イガとコイガの幼虫は初夏から秋に活動し、カツオブシムシは夏から翌年の春にかけて活動するのだそうです。防虫剤は香りがなくなったら終わりですから、ときどき点検して、新しいものを入れてください。3か月~半年に一回程度が目安です。

 クスノキの樟脳は、生産地が福岡と宮崎だそうです。日本中に森林が広がっているのに、その生産地は年々減少しているそうです。天然樟脳のことをもっと広く知ってもらいたいと思います。

 防虫剤として使われることによってクスノキの需要が増せば、山に人が入り、手入れがなされ、山が生き返ります。山の荒廃が言われて久しいですが、山の資源を人間が上手に使うのは、国土を保全する上でも大切なことです。山の恵みをもっともっと多くの人が使うようになってもらいたい。みなさん、ぜひクスノキの樟脳を使ってみてください。大切な衣類を守ることが、日本の山を守ることにもつながるなんて、一石二鳥のいい話だと思いませんか?

2010年03月04日

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by akaboshi-ryuu-ego | 2014-05-30 00:31 | もったいない・昔の知恵


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