川がよみがえる“小枝マット”

日本水大賞という賞をご存知ですか?

 これは、多くの国で発生している水不足、洪水、水の汚染を防いだり、水系生態系を保全する活動をしている人たち(団体や企業も含む)を表彰する制度です。ホームページはこちら⇒日本水大賞


 今年は11回目の表彰式が6月30日に行われました。

 今年、国際貢献賞を受賞した国建協ラオス粗朶工法調査団による「ラオスへの日本の河川伝統工法(粗朶工法)の導入と展開」をご紹介しましょう。
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 粗朶(そだ)とは里山の広葉樹から伐採した小枝のことです。

日本ではこれを編んで、10メートル×10メートルの格子状のマットを作ります。木杭も使って高さは1メートルくらいにし、格子の中に石をつめたものを、河岸に沈めます。粗朶で作ったマットを河岸に沈めて、岸辺の土が流れていかないよう押さえるというわけです。この沈めたマットを「粗朶沈床」と言い、これで河岸を守る工法を「粗朶工法」と言います。

 粗朶沈床は、川底に沈んで、魚の隠れ家にもなるし、藻や水草も生えます。河岸の土が流れるのを防ぎつつ、生命も育むという、一石二鳥の自然にやさしい工法なのです。

★低コストで自然に優しい

 さて、ラオスにはメコン川という大きな川があります。年間10メートルもの水位変動を繰り返し、河岸の侵食がひどく、大きな被害が出ています。蛇籠(鉄線で出来たかごに石をつめたもの)を沈めて河岸を守る工事や、もちろんコンクリートでの護岸工事も進めてはきたのですが、これは材料が高価で、ラオスでは輸入しなければならないものです。自国での持続的な護岸工事をするには無理のある工法でした。

 1999年、国建協ラオス粗朶工法調査団は、日本の「粗朶工法」をラオスに紹介したところ、現地材料を使えること、低コストで、しかも永い年月にわたって効果があるということで、ラオスの技術者の注目を集めました。日本から技術者が赴いて指導したり、ラオスから技術者を招いて修行をしてもらったりという交流の末に、今、粗朶工法を自分たちのものにして、メコン川に適応したやり方を続けています。

 粗朶工法は木を編んだマットに石をつめて沈めているだけですから、その隙間に土砂が入り、植物が根を下ろし、設置後、強度が増すのです。また、木と根と石と土砂ですから、川底がえぐられても柔軟に変形して大規模な侵食を防ぐことが出来るのだそうです。さらに、河岸の土砂が安定することによって植物が生長しやすい環境が出来ます。そして、人力で製作、設置することとが多いので、周辺の雇用創出にも役立っているのだそうです。

 この活動によって侵食を免れた河岸近くに住む人は、どれだけ喜んでいるでしょう。国際貢献賞にふさわしい内容だと思いました。この活動を発表した国建協ラオス粗朶工法調査団の方は、目が潤み、声が震えていました。ここまでくるのに、どれだけの苦労を乗り越えてきたのか、それが偲ばれる発表でした。

 日本水大賞は、秋篠宮様が名誉総裁、読売新聞、環境省、農林水産省、経済産業省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省なども後援しています。水環境を良くして行こうと活動している皆さん、ぜひ応募してくださいね!

2009年07月02日
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by akaboshi-ryuu-ego | 2014-04-26 00:00 | エコ全般


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